「Caravan」は、デューク・エリントン楽団のヴァルヴ・トロンボーン奏者ファン・ティゾールとエリントンの共作で、1936年に初演されたジャズの代表的スタンダードである。アーヴィング・ミルズが歌詞を付けたが、インストゥルメンタルとして演奏されることがほとんどである。
Aセクションはマイナー・キー(Fマイナー)上で、半音階的に蛇行するエキゾチックなメロディが砂漠のキャラバンを想起させる。ドミナント7thコードの持続がヒプノティックな緊張感を生み出し、ブリッジでは対照的に明るいメジャー・キーへ転じる。ラテン・リズムとスウィングの融合が本曲の最大の特徴であり、ティゾールのプエルトリコ出身という背景が色濃く反映されている。ジャム・セッションではアップテンポで白熱した演奏が繰り広げられることも多い。2024年時点で500以上のカヴァー・ヴァージョンが存在する。
1936年のバーニー・ビガード名義による初録音に続き、1937年のエリントン・フル・オーケストラ盤が決定的な録音として広く知られる。2014年の映画『セッション』(原題Whiplash)で使用されたことでも再び注目を集めた。