「Blues for Alice」は、アルト・サックス奏者チャーリー・パーカー(1920–1955)が作曲したビバップの12小節ブルースである。1951年8月8日にニューヨークでレコーディングされた。タイトルの「アリス」はパーカーの関係者の名前に由来するとされる。
キーはFメジャー。この曲の最大の特徴は、ブルース進行にビバップ特有の精緻なコード・チェンジを施した、いわゆる「バード・ブルース」の代表例である点にある。1小節目のFメジャー7から始まり、半音階的に下降するii-V連鎖がI7-IV7の単純なブルース進行に置き換わっている。この下降するii-V進行は「バード・チェンジ」と呼ばれ、ジャズ理論において極めて重要な概念となった。ブルースでありながら高度な和声感覚を要求される楽曲で、中上級者の必修曲として位置づけられている。
パーカー自身の1951年のヴァーヴ録音が基本となるヴァージョン。フィル・ウッズ、ソニー・スティットをはじめ多くのアルト奏者がこの曲に挑んでおり、ビバップの和声語彙を学ぶうえで欠かせないスタンダードだ。