「ウィスパー・ノット」は、1956年にベニー・ゴルソンが作曲したハードバップの名曲。ゴルソンはディジー・ガレスピーのビッグバンドに在籍中、ボストンのストーリーヴィル・クラブでわずか20分で書き上げたと語っている。「アイ・リメンバー・クリフォード」と並ぶゴルソンの代表作である。
32小節の構成で、キーはCマイナー。マイナー調の深い情感を持つメロディが特徴的で、各セクションがそれぞれ異なる性格を持つ独自の構造になっている。この曲の大きな特徴はシャウト・コーラス(最後のソロとエンディングのテーマの間に挿入される特別なコーラス)で、ゴルソンのアレンジの妙が光る。テンポやダイナミクスの変化に富み、演奏者の表現力が試される楽曲だ。
最初の録音は1956年、ディジー・ガレスピーのビッグバンドによるもの。リー・モーガンやサド・ジョーンズが作曲者より先に自身のリーダー作で録音し、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズの演奏も定番として広く親しまれている。