「Well, You Needn't」は、セロニアス・モンクが1944年に作曲したビバップの名曲である。モンクが教え子の歌手チャーリー・ビーモンに「君の名前を付ける」と言ったところ、ビーモンが「Well, you needn't(別にいいよ)」と返したことがそのままタイトルになったという逸話が有名だ。
キーはFメジャー、32小節のAABA形式。最大の特徴は、半音ずつ上昇・下降するドミナント7thコードの連続で構成されるコード進行にある。この半音階的な動きが「Epistrophy」と並ぶモンクのトレードマークとなっている。メロディはリズミカルで大胆、角張った跳躍とユーモラスなフレーズがモンクの個性を体現している。ブリッジのコード進行にはモンクのオリジナルとマイルス・デイヴィスが広めたヴァージョンの2種が存在し、セッションでは後者がReal Book経由で普及している。
モンク自身の1947年のBlue Note盤Genius of Modern Musicが初録音である。マイルス・デイヴィスのアルバムSteamin'(1961年発売、1956年録音)での演奏も、この曲のもう一つの定番として広く知られている。