「Valse Hot」は、テナーサックスの巨匠ソニー・ロリンズが作曲し、1956年のアルバムSonny Rollins Plus 4で発表されたジャズ・ワルツである。ロリンズがクリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットのサイドマンを務めていた時期に書かれた。
キーはA♭メジャー(B♭メジャーでも演奏される)、3/4拍子で書かれている。1950年代のジャズではまだ珍しかったワルツ・タイムを取り入れた先駆的な作品の一つで、後の「Someday My Prince Will Come」などジャズ・ワルツの流行に先鞭をつけた。メロディは遊び心と優雅さを併せ持ち、ハード・バップのエネルギーとワルツの流麗さが絶妙に融合している。3拍子の中でのフレージングやスウィング感の作り方が問われ、演奏者にとって新鮮な挑戦となる楽曲だ。
決定的な録音はSonny Rollins Plus 4で、クリフォード・ブラウン(トランペット)、リッチー・パウエル(ピアノ)、ジョージ・モロウ(ベース)、マックス・ローチ(ドラムス)という豪華メンバーとの共演である。ブラウンとパウエルがこの録音の3ヶ月後に交通事故で亡くなったことから、この作品は一層貴重な記録となっている。