「サニー」は1963年にボビー・ヘブが作詞・作曲し、1966年にシングルとしてリリースされたソウル〜ジャズの名曲である。兄ハロルドの悲劇的な死をきっかけに書かれた曲だが、暗闇から光を求める前向きなメッセージが込められている。Billboard Hot 100で2位を記録した大ヒット曲でもある。
16小節のフォームで、4小節のコード・ループ(Im7-bIII7-bVImaj7-IIm7-V7)を基本単位とする。オリジナルはEマイナーだが、ジャズでは半音上の転調を省略してAmで通して演奏するのが一般的である。トニック・マイナーとbVImaj7の間を行き来する独特の浮遊感が特徴的で、ブルージーなドミナント7thコードが合間に挿入されることでソウルフルな色合いが加わる。コード進行のシンプルさと奥深さが両立しており、フレディ・ハバードの「Red Clay」など後続の楽曲にも大きな影響を与えた。
ジャズにおける決定的な録音は、ジョージ・ベンソンが1968年のアルバムGiblet Gravyで披露したインストゥルメンタル版で、原曲の持つポテンシャルをジャズ・インプロヴィゼーションの文脈に見事に昇華させた。パット・マルティーノのギター・ヴァージョンもビバップ・アプローチの好例として知られる。