「Once I Loved」(ポルトガル語原題「O Amor em Paz」=平和な愛)は、1960年にブラジルの作曲家アントニオ・カルロス・ジョビンが作曲し、ヴィニシウス・ジ・モラエスが作詞したボサノヴァの名曲である。英語詞はレイ・ギルバートが手がけた。
キーはFが標準で、静かな内省と前に進むボサノヴァのリズムが絶妙に調和した楽曲である。テッド・ジョイアが指摘するように、この曲はあまり遅く演奏すべきではなく、ミディアム・テンポでの演奏が歌詞の郷愁とリズムの推進力のせめぎ合いを最も効果的に表現する。メロディは長い下行フレーズが特徴的で、失われた愛への回想を美しく描き出している。
この曲を広く知らしめたのは、フランク・シナトラとジョビンの共演アルバムFrancis Albert Sinatra & Antonio Carlos Jobim(1967年)である。ジョビン自身のインストゥルメンタル版はデビュー・アルバムThe Composer of Desafinado Plays(1963年)に収録されている。