「モア・アイ・シー・ユー」は、1945年にハリー・ウォーレンが作曲し、マック・ゴードンが作詞したポピュラー・バラードである。20世紀フォックスのミュージカル映画『ダイヤモンド・ホースシュー』でディック・ヘイムズが歌い、戦時中のアメリカで多くの人々の心を捉えた。
キーはE♭メジャーで、32小節のAABA形式をとるオーソドックスな構成である。ウォーレンのメロディは流れるような上行フレーズで始まり、「あなたを見れば見るほど、ますます愛しくなる」という歌詞の感情と完璧に一致する。ハーモニーはダイアトニック・コードを基調としながらも、半音進行するパッシング・コードやセカンダリー・ドミナントが効果的に配置されている。バラードとして演奏されることが多いが、ボサノヴァやスウィングなど多様なアレンジにも対応できる懐の深いメロディだ。
ディック・ヘイムズの1945年のオリジナル録音(ヴィクター・ヤング楽団伴奏)はBillboardチャート7位を記録した。ジャズの分野ではトランペッターチェット・ベイカーが1958年のアルバムIt Could Happen to Youで歌ったヴァージョンが名唱として知られる。ナット・キング・コールの1958年の録音や、ダイアナ・クラールが1996年のアルバムAll for Youで取り上げたトリオ演奏も人気が高い。