「モメンツ・ノーティス」は、テナー・サックス奏者ジョン・コルトレーンが作曲し、1957年9月15日にBlue Noteレーベルのために録音した楽曲である。翌1958年にリリースされた名盤Blue Trainに収録され、コルトレーンのハード・バップ期を代表する作品として広く知られている。
キーはE♭メジャーを基調とし、38小節のABAC形式という非典型的な構成を持つ。最大の特徴は、半音階的に連結されたII-V進行(コンティギュアスII-V)が次々と現れる和声構造で、のちの「ジャイアント・ステップス」に至るコルトレーンの和声的探求の萌芽を見ることができる。Cセクションではドミナント・ペダルが6小節にわたって持続し、テンション感が高まる。速いテンポで目まぐるしく変化するコード進行は即興演奏の挑戦課題として名高く、多くのジャズ・ミュージシャンが腕試しに取り上げる一曲である。
コルトレーン自身がこの曲を録音したのはBlue Trainのセッション一度きりだが、その演奏は圧倒的である。メンバーはリー・モーガン(トランペット)、カーティス・フラー(トロンボーン)、ケニー・ドリュー(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)。1970年代以降、マッコイ・タイナーやチック・コリアらが繰り返し取り上げ、スタンダードとしての地位を確立した。