「マージー」は、1920年にヴォードヴィル・ピアニストのコン・コンラッドとラグタイム・ピアニストのJ・ラッセル・ロビンソンが共作した楽曲である。歌手エディ・キャンターの5歳の娘にちなんで名付けられ、オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドが1920年に最初の録音を残した。
典型的なディキシーランド・スタイルの32小節構成で、キーはFメジャーやBbメジャーで演奏されることが多い。メロディは明るく跳ねるような性格を持ち、ラグタイムの影響を色濃く残すシンコペーションが特徴的だ。コード進行は比較的シンプルで、I-VI-II-Vのターンアラウンドを軸にしたトラディショナル・ジャズの語法がベースとなっている。アップテンポでの集団即興演奏(コレクティヴ・インプロヴィゼーション)に適した曲で、デキシーランド・バンドの定番レパートリーであり続けている。
初期の名録音としてはエディ・キャンターの1921年のヒット盤(ポップ・チャート5週連続1位)がある。ジャズの文脈ではベニー・グッドマンやジミー・ランスフォードのスウィング時代のアレンジ、またオスカー・ピーターソンのピアノ・トリオによる洗練された解釈も広く知られている。