「レディ・バード」は、ビバップ期を代表する作編曲家タッド・ダメロンが1939年頃に作曲し、1948年にリリースされた楽曲である。ダメロンはピアニスト兼アレンジャーとして、モダン・ジャズのハーモニー言語の発展に大きく貢献した。
楽曲はわずか16小節のAABC形式というコンパクトな構成ながら、ハーモニーの密度が非常に高い。キーはCメジャー。各4小節フレーズがii-Vを用いて異なるトーナル・センター(E♭、A♭、G)へ向かうが、最初のii-Vは解決せずトニックに戻る「バックドア・ケーデンス」を形成する。最後の2小節に現れるCmaj7→E♭7→A♭maj7→D♭7という進行は「タッド・ダメロン・ターンアラウンド」として知られ、後世の作曲家や即興演奏家に絶大な影響を与えた。
ダメロン自身のセクステットによる1948年のBlue Note録音が初出で、ファッツ・ナヴァロのトランペットが見事なビバップ・ラインを展開する。マイルス・デイヴィスはこの曲のコード進行を基に「Half Nelson」を書いたことでも知られ、デクスター・ゴードンやバド・パウエルなど多くのモダン・ジャズの巨人たちが録音を残している。