「ハブ・ユー・メット・ミス・ジョーンズ」は、リチャード・ロジャーズ(作曲)とロレンツ・ハート(作詞)のコンビが1937年のミュージカル・コメディ『アイド・ラザー・ビー・ライト』のために書いた作品である。
32小節のAABA形式で、演奏キーはFメジャーが標準。Aセクションはオーソドックスなii-V進行を軸にした穏やかなハーモニーだが、この曲の最大の魅力はブリッジにある。Bセクションでは、B♭→G♭→D→G♭と長3度ずつ移動するii-V-Iの連鎖が現れ、20年以上後のジョン・コルトレーン「ジャイアント・ステップス」の先駆けともいえる大胆な転調が展開される。ミディアム・テンポからアップ・テンポまで幅広く演奏され、ジャム・セッションの定番曲として親しまれている。
代表的な録音としては、レッド・ノーヴォがチャールズ・ミンガス、タル・ファーロウと組んだ1950年代初期のトリオ演奏が名高い。またエラ・フィッツジェラルドのElla Fitzgerald Sings the Rodgers and Hart Songbook(1957年)収録のヴォーカル・バージョンも決定盤のひとつである。