「フェリシダージ」(A Felicidade=幸福)は、アントニオ・カルロス・ジョビン作曲、ヴィニシウス・ヂ・モライス作詞による1958年のボサ・ノヴァの名曲。映画Orfeu Negro(黒いオルフェ)のために書かれ、同作は1959年のカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した。
Aマイナーを基調とし、マイナーとメジャーの間を行き来する哀愁に満ちたハーモニーが特徴。「悲しみには終わりがない。幸せにはある」という歌詞が示す通り、幸福のはかなさをテーマにしている。サンバのリズムにクール・ジャズの和声を融合させたボサ・ノヴァの典型で、繊細なテンション・ノートの使い方が演奏に深い味わいをもたらす。
1974年のエリス・レジーナとジョビンによるアルバムElis & Tomのヴァージョンが決定的名演。ヴィンス・ガラルディ・トリオのJazz Impressions of Black Orpheus(1962年)も映画楽曲をジャズ・トリオで再解釈した好盤である。