「ヂザフィナード」(ポルトガル語で「調子っぱずれ」の意)は、ブラジルの作曲家アントニオ・カルロス・ジョビンが作曲し、ニュートン・メンドンサがポルトガル語の歌詞を書いた1959年のボサノヴァ・クラシックである。ボサノヴァを「歌えない人のための音楽」と批判した評論家たちへの皮肉に満ちた回答として生まれた。
形式は68小節に及ぶ長大な構成で、一般的な32小節のAABAフォームとは大きく異なる。キーはFメジャーが標準的。メロディは冒頭からダイアトニック・スケールを上行する動機で始まり、曲中には非ダイアトニックな音程や半音階的な転調が随所に仕込まれている。これは「調子っぱずれ」というタイトルの音楽的な具現化であり、半音で移動するII-V進行やクロマティックな経過和音を巧みに用いたジョビンの和声的才能が遺憾なく発揮されている。一見シンプルに聴こえるが、演奏には高度なハーモニーの理解が求められる。
最も重要な初期録音は、1959年のジョアン・ジルベルトのデビュー・アルバムChega de Saudadeに収録されたヴァージョン。国際的にこの曲を広めたのは、1962年のスタン・ゲッツとチャーリー・バードによるアルバムJazz Samba収録のインストゥルメンタル版で、ボサノヴァ・ブームの火付け役となった。