「ダンシング・イン・ザ・ダーク」は、アーサー・シュワルツが作曲、ハワード・ディーツが作詞し、1931年のブロードウェイ・レヴュー『ザ・バンド・ワゴン』で発表されたスタンダードである。シュワルツは夢の中でこのメロディを思いついたと語っている。
形式は32小節AABA、キーはDメジャー(ジャズでは様々なキーで演奏される)。歌詞には「ワルツを踊る」という表現があるが、実際の拍子は4/4拍子で書かれている。メロディはAセクションで穏やかな下降線を描き、ブリッジでは短調への転調を含む和声的な変化が加わる。バラードからミディアム・スウィングまで幅広いテンポで演奏され、メロディの優美さと和声の深みがジャズ・ミュージシャンに多彩な解釈の余地を与えている。
1941年のアーティ・ショウ楽団による録音がゴールドディスクを獲得し、この曲を広く知らしめた。1953年のMGM映画『バンド・ワゴン』ではフレッド・アステアとシド・チャリシーが官能的なバレエ・シーンで踊り、スタンダードとしての地位を不動のものにした。ジャズの分野ではビル・エヴァンスやフランク・シナトラをはじめ、数多くのアーティストがこの曲を取り上げている。