「ダーホード」は、クリフォード・ブラウンが1954年に作曲したハードバップの代表的スタンダードである。わずか23歳で書き上げたこの作品は、1956年の交通事故で25歳の若さで世を去ったブラウンの天才的な才能を象徴している。
形式は32小節AABA、キーはE♭メジャー。Aセクションの冒頭でE♭マイナーの響きを暗示しつつ、すぐにD♭への一時的なii-V-I進行へと展開するなど、聴き手の調性的な期待を巧みに裏切る和声運びが特徴的だ。ブリッジでは2つの一時的な調中心へのii-V-I進行が配置され、メロディのアップビートで躍動的なスウィング感と相まって、即興演奏にも豊かな素材を提供する。アップテンポで演奏されることが多く、ブラウンらしい明るく力強いメロディが全編にわたって輝いている。
ブラウンは1954年に2つの重要な録音を残した。最初は7月12日、Pacific Jazzレーベルでのジャック・モントローズ編曲によるセプテット・セッション(アルバムJazz Immortal)。続いて8月6日にはクリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットとして録音し、後者がこの曲の決定版として広く親しまれている。