「コットン・テール」は、デューク・エリントンが1940年に作曲した、スウィング時代を代表するジャズ・ナンバーである。エリントンは20世紀アメリカ音楽の巨人として、1,000曲を超える作品を残した作曲家・ピアニスト・バンドリーダーだ。
ジョージ・ガーシュウィンの「アイ・ガット・リズム」のコード進行(いわゆるリズム・チェンジ)に基づくAABA・32小節の楽曲で、キーはB♭メジャー。一見シンプルなリズム・チェンジ上に、エリントンは角ばった(angular)メロディと高度なオーケストレーションを乗せ、当時としては驚くほどモダンな響きを実現した。Aセクションの躍動的なテーマに対し、ブリッジはソロ・スペースとして開放されている構造が特徴的で、ビッグバンドとソロ即興を見事に融合した先駆的作品である。
初録音は1940年5月4日のRCAヴィクター・セッションで、テナーサックスのベン・ウェブスターが圧巻のソロを繰り広げたことで伝説となった。ウェブスターのソロはあまりに有名になり、後にサックス・セクション用のソリとして編曲され、以降エリントン楽団のレパートリーに欠かせないものとなった。