「チャイルド・イズ・ボーン」は、1969年にトランペット奏者・作編曲家のサド・ジョーンズが書いたジャズ・バラードである。ジョーンズはカウント・ベイシー・オーケストラでの活躍を経て、ドラマーのメル・ルイスと共同でビッグバンドを率いた名バンドリーダーだ。
3/4拍子で書かれた30小節のフォームを持ち、キーはB♭メジャー。冒頭のB♭maj7からE♭m/B♭(サブドミナント・マイナー)への動きが独特の温かく内省的な響きを生み、ii-V-I進行を交えながらゆったりと展開する。メロディは歌うように美しく、リハーモナイズの余地も豊かで、ワルツ・タイムのスウィング感覚やバラード表現を学ぶ教材としても広く用いられている。後にアレック・ワイルダーが独自に歌詞を付け、ヴォーカル・ナンバーとしても定着した。
最初の録音は1969年、ベーシストリチャード・デイヴィスのアルバムMuses for Richard Davisに収録されたトリオ演奏。翌1970年にはサド・ジョーンズ=メル・ルイス・オーケストラのアルバムConsummationでジョーンズ自身がフリューゲルホルンで情感豊かにメロディを奏で、この曲の代表的名演となった。