「チェリル」は、1947年にチャーリー・パーカーが作曲・初録音した12小節のブルース・ナンバーである。ビバップの創始者として知られるパーカーが、数あるブルース・ヘッドの中でもとりわけ洗練されたメロディを書き上げた一曲だ。
キーはCメジャー。12小節ブルースの基本形式に則りつつも、メロディはドミナント7thコードの上部構成音(6thや9th)を巧みに強調し、単純なブルース・リフを超えた和声的な奥行きを持つ。ビバップ特有のクロマティックなアプローチやシンコペーションを駆使したフレージングは、即興の手本としても極めて有益で、バード(パーカーの愛称)のブルースへの深い理解が凝縮されている。他のパーカー作ブルースに比べてメロディの動きが複雑なため、習得には丁寧な取り組みが求められる。
初録音は1947年5月8日、Savoyレーベルでのセッションで、マイルス・デイヴィス(トランペット)、バド・パウエル(ピアノ)、トミー・ポッター(ベース)、マックス・ローチ(ドラムス)という黄金のクインテットによる演奏が決定的な名盤として知られる。