「Bye Bye Blackbird」は、作曲家レイ・ヘンダーソンと作詞家モート・ディクソンによって1926年に書かれたポピュラー・ソングで、ジャズ・スタンダードとして長く愛され続けている。同年、ジーン・オースティンらの録音で人気を博した。
キーはFメジャー、32小節のAABA形式。トーナル・センターのFから大きく離れることがないシンプルな進行ゆえに、ミュージシャンがコード・サブスティテューションやリハーモナイズを自由に施す余地が大きく、ジャム・セッションで頻繁に取り上げられる。メロディは上行と下行を繰り返す親しみやすい輪郭を持ち、ブルージーなフレーズやクロマティックな装飾を加えることで豊かなジャズ表現が可能になる。ミディアム・スウィングが定番だが、バラードやアップテンポなど多彩なアプローチに対応できる。
ジャズにおける決定的な録音は、マイルス・デイヴィスのアルバム'Round About Midnight(Columbia, 1957)に収録されたヴァージョンで、ハーモン・ミュートによるクールなトランペットが印象的である。ジョン・コルトレーンも同名アルバムBye Bye Blackbird(1981年発売)で約18分にわたる壮大な演奏を残している。