「Alice in Wonderland」は、サミー・フェイン(1902–1989)が作曲し、ボブ・ヒリアードが作詞した、1951年のディズニー・アニメ映画Alice in Wonderlandのテーマ曲である。夢見るようなワルツのメロディが、ジャズ・ミュージシャンたちの心を捉え、映画音楽からジャズ・スタンダードへと昇華した。
3/4拍子のワルツで、ジャズでは通常Cメジャーで演奏される。ii-V-I進行を中心としたオーソドックスな和声構造を持ちながら、ゆったりと揺れるメロディラインが深い叙情性を生み出す。初心者にも取り組みやすいコード進行でありながら、表現の奥行きを引き出せる奥深い一曲で、ピアノ・トリオの定番レパートリーとして特に人気が高い。
ジャズ・スタンダードとしての地位を確立したのは、ビル・エヴァンスの1961年のアルバムSunday at the Village Vanguardに収録されたライヴ演奏である。スコット・ラファロ、ポール・モチアンとのトリオによる繊細で内省的な名演は、テッド・ジョイアの著書でも「Waltz for Debby」に匹敵する美しさと評されている。このほかオスカー・ピーターソンやデイヴ・ブルーベックの録音も広く知られる。