「Yardbird Suite」は、1946年にアルト・サックス奏者チャーリー・パーカーが作曲したビバップの代表的スタンダードである。タイトルはパーカーの愛称「ヤードバード(バード)」に由来し、元々は「What Price Love?」という歌詞付きの曲として構想された。
形式は32小節のAABA、キーはCメジャー。他の多くのパーカー作品と異なり、既存のスタンダードのコード進行を借用せず、オリジナルのハーモニーで構成されている点が特徴的だ。Aセクションは I から♭III への ii-V を経由しつつトニックに戻る動きを含み、ブリッジでは iii への転調を経てサイクル・オブ・フィフスで展開する。優雅で歌心のあるメロディはビバップの中でも親しみやすく、中級者から上級者まで幅広く演奏される。
オリジナル録音は1946年3月28日、ハリウッドでのDial Recordsセッションで、マイルス・デイヴィス(トランペット)、ラッキー・トンプソン(テナー)、ドド・マーマローサ(ピアノ)らが参加。この録音は2014年にグラミー殿堂入りを果たしている。