「ウィズアウト・ア・ソング」は、1929年にヴィンセント・ユーマンスが作曲したミュージカルGreat Day!の挿入歌。ユーマンスは「ティー・フォー・トゥー」「タイム・オン・マイ・ハンズ」などで知られる作曲家で、短い活動期間ながら質の高いメロディを数多く残した。
32小節のAABA形式で、キーはEbメジャー。雄大で力強いメロディが特徴的で、「歌がなければ一日も始まらない」という歌詞のテーマにふさわしいスケールの大きな楽曲である。Aセクションは広い音域を使った堂々としたフレーズが展開し、ブリッジでは一転してリリカルな雰囲気になる。テナーサックスやトランペットなどの管楽器で演奏すると特に映え、アップテンポでのブロウイングにも適している。
ソニー・ロリンズのカムバック・アルバムThe Bridge(1962年)収録の演奏が、ジャズ・テナーの名録音として広く知られる。フランク・シナトラのヴォーカル・ヴァージョンや、ロイ・エルドリッジのトランペットによる熱演も定番として親しまれている。