「ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート」は、1929年のブロードウェイ・ミュージカルSpring Is Hereのためにリチャード・ロジャースが作曲した楽曲。ロジャースは作詞家ロレンツ・ハートとのコンビで500曲以上の名曲を世に送り出し、アメリカン・ポピュラー・ソングの黄金時代を築いた。
32小節のAABA形式で、キーはEbメジャー。冒頭から喜びに満ちた上昇メロディが印象的で、「心に歌を抱いて」というタイトルそのものを体現するような明るく伸びやかな曲調が特徴である。ハーモニーは明快ながら品格があり、Aセクションの力強いメロディとブリッジの対照的な静けさが見事な構成を作り上げている。ミディアム・スウィングからバラードまで、幅広い解釈が可能だ。
初期のポピュラー録音に加え、エラ・フィッツジェラルドのElla Fitzgerald Sings the Rodgers & Hart Songbook(1956年)が決定的な名唱として知られ、1999年にグラミー殿堂入りを果たした。ドリス・デイとハリー・ジェイムス楽団の映画Young Man with a Horn(1950年)での共演も有名である。