「ウィロー・ウィープ・フォー・ミー」は、1932年にアン・ロネルが詞・曲ともに手がけたジャズ・スタンダード。ロネルはジョージ・ガーシュウィンのリハーサル・ピアニストを務めた女性作曲家で、この曲はガーシュウィンに捧げられている。女性作曲家によるジャズ・スタンダードとしてもっとも多く録音された楽曲として知られる。
32小節のAABA形式で、キーはGメジャー。しかしブルース的なマイナー・フレーバーが全編を彩り、メジャーとマイナーの間を揺れる独特の色彩感がある。Aセクションのメロディはオクターヴ跳躍を含む下降型の動きが印象的で、柳の枝が垂れるイメージを音で描写している。ブリッジではコントラストとして上昇型に転じる。12/8拍子のブルージーなアレンジで演奏されることも多い。
初期のヒットはテッド・フィオリート楽団(1932年)とポール・ホワイトマン楽団によるもの。ジャズではアート・テイタムの華麗なピアノ・ソロ、サラ・ヴォーンのライヴ録音(1957年)、フランク・シナトラのアルバムFrank Sinatra Sings for Only the Lonely(1958年)が名盤として挙げられる。