「Till the Clouds Roll By」は、1917年にジェローム・カーンが作曲したショー・チューンである。ブロードウェイ・ミュージカルOh, Boy!で初演され、463回のロングランを記録した。カーンの初期の代表作で、若きリチャード・ロジャーズにも影響を与えたとされる。
AABA形式の32小節構成で、カーンらしい上品で流れるようなメロディが特徴。コーラスは最低音から最高音へ3フレーズで自然に上行し、後半で優美に下降するアーチ型の構造を持つ。穏やかなダイアトニック進行に巧みな和声推移が施され、初期アメリカン・ポピュラー・ソングの中でも際立つ品格を備えている。
ジャズでの録音は比較的少ないが、ポール・デスモンドの演奏がよく知られる。1946年の同名映画Till the Clouds Roll By(カーンの伝記映画)が曲の知名度を大きく高めた。