「ティー・フォー・トゥー」は、ヴィンセント・ユーマンスが作曲しアーヴィング・シーザーが作詞した、1925年のブロードウェイ・ミュージカルNo, No, Nanetteの代表曲である。「二人でお茶を」という邦題でも広く知られ、ジャズのみならずポピュラー音楽全般に浸透した名曲。
AABA形式・32小節で、キーはAbメジャーが標準的。A セクションのメロディは同一音の反復から半音階的に上昇・下降する独特のパターンを持ち、シンプルでありながら耳に残る印象的な音型である。ハーモニーはI-V7の基本的な往復にii-Vの動きが加わり、ブリッジではIV度方面へのセカンダリー・ドミナント進行が変化をもたらす。テンポの幅が極めて広く、チャールストン風の高速スウィングからバラード、ラテン・アレンジまで様々なスタイルで演奏される。
アート・テイタムの超絶技巧ソロ・ピアノ版が古典的名演として名高い。またトミー・ドーシー楽団による1935年の録音や、ドミトリ・ショスタコーヴィチが管弦楽編曲したTahiti Trot(1928年)もこの曲の幅広い影響力を物語る。