「サリー・ウィズ・ザ・フリンジ・オン・トップ」は、リチャード・ロジャースが作曲しオスカー・ハマースタイン二世が作詞した、1943年のミュージカルOklahoma!の挿入歌である。馬車に乗って恋人を連れ出す情景を軽快に描いた、ロジャース&ハマースタインの初期の傑作のひとつ。
32小節のAABA形式で、キーはBbメジャーが標準的である。A セクションのメロディは同一音の反復から始まるのが大きな特徴で、この「クリップ・クロップ」と称される馬の蹄音を模したリズミカルな動きが曲の個性を決定づけている。ハーモニーはダイアトニックで比較的シンプルだが、そのシンプルさゆえに即興での解釈の自由度が高く、ジャズ・ミュージシャンはii-V進行の挿入やリハーモナイズで独自の色彩を加えてきた。
この曲をジャズ・スタンダードとして定着させたのはアーマッド・ジャマルの1952年のトリオ録音で、そのアプローチに触発されたマイルス・デイヴィスが自身のレパートリーに採用したことで広く知られるようになった。ソニー・ロリンズがフィリー・ジョー・ジョーンズのドラムスのみをバックに演奏した1957年のデュオ録音も圧巻である。