「Stormy Weather」は、ハロルド・アーレンが作曲しテッド・ケーラーが作詞した1933年のトーチ・ソングで、ハーレムのコットン・クラブでエセル・ウォーターズが初演した。初演の夜は12回もアンコールされたという逸話が残る。
32小節の形式で、キーはGメジャーやFメジャーで演奏されることが多い。冒頭の「Don't know why there's no sun up in the sky」に象徴される下降するブルーノートを含むメロディが、嵐に喩えた失恋の悲しみを見事に表現している。コード進行はブルースのフィーリングを内包しつつ、Ⅱ-Ⅴの流れや半音階的なパッシング・コードが洗練された色合いを添える。ヴォーカリストのショーケースとして愛される一方、インストゥルメンタル・バラードとしても奥深い。
エセル・ウォーターズの1933年録音(グラミー殿堂入り)が歴史的原点。レナ・ホーンの1943年映画Stormy Weatherでの歌唱も決定版として名高い。ジャズ・ピアノではレッド・ガーランド・トリオのアルバムAll Kinds of Weather(1958年)の演奏が広く親しまれている。