「Stella by Starlight」は、ヴィクター・ヤングが1944年のパラマウント映画The Uninvited(邦題:呪いの家)のために作曲した楽曲である。1946年にネッド・ワシントンが歌詞を付け、ジャズ・スタンダードとして広く演奏されるようになった。
32小節の通作形式(ABCD)で書かれ、キーはB♭メジャーが標準。最大の特徴は、解決しないⅡ-Ⅴ進行が連鎖する高度なハーモニーにある。冒頭のEm7(♭5)-A7(♭9)から始まり、次々と異なる調性圏を経由するため、ソリストには各セクションの和声を的確に把握する力が求められる。ビバップ時代にコード進行がさらにリハーモナイズされ、Real Bookに載る「モダン版」は原曲よりさらに複雑になっている。バラード、ミディアム、アップテンポと幅広いテンポで演奏される万能曲である。
ジャズにおける決定版はマイルス・デイヴィスの'58 Sessions(1958年、Columbia)に収録されたヴァージョンで、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンスらとの演奏が多くのジャズ・ミュージシャンの参照元となっている。チャーリー・パーカーのCharlie Parker with Strings(1952年)も、最初期のジャズ録音として重要である。