「Solar」は、マイルス・デイヴィス名義で1954年のアルバムWalkin'に収録されたモダン・ジャズの定番曲である。ただし、実際にはギタリストチャック・ウェインが1946年に「Sonny」というタイトルで作曲した楽曲が原型であることが、2012年に米国議会図書館のアセテート盤の発見により裏付けられた。
形式は12小節のマイナー・ブルースで、キーはCマイナー。「How High the Moon」のコード進行を下敷きとしつつ、Cm→F→E♭→D♭と4つのトーナル・センターを巡る独特の和声構造を持つ。簡潔で豊かな構成がジャズ教育でも高く評価され、ii-V-Iの連鎖や転調の練習素材として最適であるため、ジャム・セッションやレッスンの場で非常に頻繁に取り上げられる。
デイヴィスの1954年録音(ホレス・シルヴァー〈p〉、パーシー・ヒース〈b〉、ケニー・クラーク〈ds〉参加)が原点だが、最も広く知られるのはビル・エヴァンス・トリオによるSunday at the Village Vanguard(1961年)でのライヴ演奏であり、繊細なインタープレイが際立つ名演として愛されている。