「Soft Winds」は、ベニー・グッドマン名義で1940年に発表されたスウィング・ジャズの名曲である。作曲のクレジットにはグッドマンの名が記されているが、実際にはエレクトリック・ギターの革命児チャーリー・クリスチャンが即興の中から生み出したメロディが原型とされ、フレッチャー・ヘンダーソンがそれを譜面に起こしたともいわれる。
形式は16小節のブルースで、通常の12小節ブルースを拡張した構成が特徴的である。IV(サブドミナント)コードに4小節、I(トニック)コードに4小節をそれぞれ充てることで、標準的なブルースよりも広がりのあるメロディ展開が可能になっている。オリジナル録音のキーはA♭で、ギター、ヴィブラフォン、クラリネットが絡み合うセクステット編成のアンサンブルが美しい。スウィングからバップ、モダン・ジャズまで幅広いスタイルで演奏される汎用性の高いブルース曲である。
グッドマン・セクステット(1940年)のオリジナル録音に加え、アート・テイタム・トリオのピアノ演奏や、オスカー・ピーターソンが1970〜80年代にカルテットで繰り返し取り上げた録音が代表的である。チェット・ベイカーやダイナ・ワシントンのヴォーカル版も知られる。