「Since I Fell for You」は、ピアニスト兼バンドリーダーのバディ・ジョンソンが1945年に作曲したブルース・バラードである。妹のエラ・ジョンソンの歌唱で初めて録音され、1963年のレニー・ウェルチのヒット(全米4位)によって広く知られるようになった。
形式はAABA・32小節で、基本的なキーはE♭。I-vi-ii-V進行を軸としたオーソドックスな構成だが、ブリッジでIV→♭VII7と意表をつく転調が挿入され、甘いメロディに深みを加えている。ブルースとポップスの境界を自然に行き来する旋律線が最大の魅力で、テンポをゆったりと取ったバラード解釈が定番である。ヴォーカルでもインストゥルメンタルでも、歌心あふれるソロが映える名曲だ。
ジャズにおける代表的録音としては、リー・モーガンのアルバムCandy(1958年、Blue Note)収録のトランペット演奏が名高い。またスタンリー・タレンタインとスリー・サウンズによるBlue Hour(1960年)も、ブルージーで親密な雰囲気の好演として知られる。