「September in the Rain」は、映画音楽の大家ハリー・ウォーレンが作曲し、アル・デュビンが作詞した1937年のスタンダードである。映画『Melody for Two』でジェイムス・メルトンが歌って紹介された。失われた恋を秋の雨に重ねたノスタルジックな佳曲として広く愛されている。
キーはE♭メジャーで、32小節のフォーム。メロディは優美で覚えやすく、秋の情景を思わせるマイナー・フィーリングを所々に漂わせる。ジャズの演奏では代替コード(オルタネート・チェンジ)が用いられることがあり、特に冒頭4小節については複数のハーモナイゼーションが存在する。テンポもバラードからミディアム・スウィングまで幅広く解釈される。
1937年のガイ・ロンバード楽団の録音がBillboardで4週連続1位を記録した。ジャズの文脈ではジョージ・シアリング・クインテットの1949年版や、レッド・ガーランドのA Garland of Red(1956年、Prestige)でのピアノ・トリオ版が有名である。ダイナ・ワシントンの1961年版も彼女の最後のヒット曲となった名唱として知られる。