「Ruby」は、映画音楽の作曲家ハインツ・ロームヘルドが1952年の映画『ルビー・ジェントリー』のテーマとして作曲したバラードである。ミッチェル・パリッシュが歌詞をつけ、1953年に複数のアーティストのヴァージョンがチャートインし、たちまちポピュラー・スタンダードとなった。
ゆったりとしたバラード・テンポで、甘く物憂げなメロディが印象的な一曲である。コード進行はロマンティックな半音階的動きを含み、映画音楽ならではのドラマティックな色彩を持つ。オリジナルのヒット録音ではハーモニカが主旋律を奏でるアレンジが多く用いられ、楽器の持つ哀愁のある音色がメロディの情感を際立たせた。ジャズの文脈ではピアノ・トリオやギター・ソロなど、小編成でのバラード演奏に適した素材として親しまれている。
1953年のリチャード・ヘイマン楽団のハーモニカ・フィーチャー版がBillboardで3位を記録し、レス・バクスター楽団の版も7位にランクインした。ジャズの分野ではレイ・チャールズがヴォーカル・ヴァージョンを録音してR&Bチャートでもヒットを記録。ジョージ・シアリングのエレガントなピアノ・ソロ版もジャズ・ファンに広く知られている。