「Perdido」は、1941年にフアン・ティゾールが作曲したジャズ・スタンダードである。ティゾールはプエルトリコ出身のヴァルヴ・トロンボーン奏者で、デューク・エリントン楽団に長年在籍し、もう一つの代表作「Caravan」とともにラテンの香りをビッグバンド・ジャズに持ち込んだ。「Perdido」はスペイン語で「迷子」「失われた」を意味し、ニューオーリンズのペルディド・ストリートに由来する。
形式は32小節のAABA、キーはB♭メジャーが標準。コード進行はii-V-Iの連鎖とドミナント・サイクルを主軸としたシンプルな構造で、ジャム・セッションの定番として親しまれている。アップテンポで演奏されることが多く、エネルギッシュなリフと華やかなシャウト・コーラス(テーマに対するカウンターメロディ)がこの曲のトレードマークだ。ソリストにとっては、ii-V-Iパターンの習熟に最適な教材でもある。
エリントン楽団による1942年のVictor録音がオリジナルとされ、エラ・フィッツジェラルドのElla Fitzgerald Sings the Duke Ellington Songbook(1957年)ではスキャット歌唱を存分に披露した名演が聴ける。チャーリー・パーカー・クインテットのライヴ版(1953年マッシー・ホール公演)も歴史的名演として名高い。