「Out Of Nowhere」は、1931年にジョニー・グリーンが作曲した映画音楽発のスタンダードである。グリーンは「Body and Soul」の作曲者としても知られ、後にMGMの音楽監督としてアカデミー賞を4度受賞した。ビング・クロスビーが同年に録音し、ソロ・アーティストとして初のナンバーワン・ヒットとなった。
形式は32小節で、キーはGメジャー。A-B1-A-B2とも表記されるフォームを持つ。トニックのGmaj7から突然B♭m7-E♭7(♭IIIm7-♭VI7)へ移行する意表を突いたコード進行が曲名の「どこからともなく」という意味を音楽的に体現している。このハーモニーの面白さから多くのコントラファクト(「Casbah」「Nostalgia」「317 East 32nd Street」など)が作られており、ジャズ・ミュージシャンにとって格好の素材となっている。
ジャズにおける決定的録音は、1937年のコールマン・ホーキンスによるもので、ギタリストジャンゴ・ラインハルトとトランペッターベニー・カーターが参加している。ホーキンスの演奏があまりに見事だったため、以後8年間他のテナー奏者がこの曲の録音を避けたと言われている。1947年のチャーリー・パーカーによるバラード版も名演として名高い。