「On a Slow Boat to China」は、1948年にフランク・レッサーが発表したポピュラー・ソングである。タイトルはポーカー用語で「気前よく負け続ける相手」を指す慣用句に由来し、レッサーはこれをロマンチックな恋の歌へと巧みに昇華させた。
形式は32小節のAABA(実質AABA'C)で、キーはBbが標準。メロディは広い音域を優雅に行き来し、長いフレーズがゆったりとした航海のイメージを醸し出す。ハーモニーにはマイナーii-Vやディミニッシュ・コードが巧みに織り込まれ、スウィングやバラードからラテンまで、様々なテンポとスタイルで演奏される。C セクションでのメロディの盛り上がりが楽曲全体のクライマックスとなっている。
ジャズにおける名演としては、ソニー・ロリンズのアルバムWay Out West(1957年)での豪快なテナーサックス・バージョンが定番。ベニー・グッドマン楽団によるオリジナル録音(1948年)も、スウィングの魅力を存分に伝える一枚である。