「Oleo」は、1954年にテナーサックスの巨匠ソニー・ロリンズが作曲したハード・バップの名曲である。タイトルはマーガリンのブランド名に由来するとされ、ロリンズらしいユーモアが感じられる。
形式は32小節のAABAで、キーはBb。ジョージ・ガーシュウィンの「I Got Rhythm」と同じコード進行、いわゆる「リズム・チェンジ」に基づくコントラファクトである。A セクションはI-vi-ii-Vの循環進行を中心に展開し、ブリッジではD7→G7→C7→F7と4度圏を下降するセカンダリー・ドミナントの連鎖が緊張感を生む。冒頭の3音モチーフが4/4拍子の上に3/4のポリリズムを示唆する点が独創的で、ブルースとは異なるリズム・チェンジの即興を学ぶ上で不可欠な一曲だ。
初録音はマイルス・デイヴィスのアルバムBags' Groove(1954年)で、ソニー・ロリンズとホレス・シルヴァーが参加。ジョン・コルトレーンをフィーチャーしたRelaxin'(1956年録音)のバージョンも、リズム・チェンジ上での即興の手本として広く研究されている。