「Old Folks」は、1938年にウィラード・ロビソンが作曲したバラードで、作詞はデデッテ・リー・ヒルが手がけた。「オールド・フォークス」というあだ名の老人の穏やかな日常と、過ぎゆく時間への郷愁を温かく描いた一曲である。
形式は32小節のAABA、キーはFが一般的。ゆったりとしたテンポで演奏されるバラードで、繊細なハーモニーの移ろいが楽曲の内省的な雰囲気を際立たせる。ブリッジではクロマティックな動きが感情の深みを増し、再びトニックに回帰する構成が美しい。テナーサックスやトランペットのバラード奏法で真価を発揮する曲であり、即興の表現力が試される一曲でもある。
ジャズにおける決定的な録音はマイルス・デイヴィスのアルバムSomeday My Prince Will Come(1961年)に収められたバージョンで、ハンク・モブレー、ウィントン・ケリーらが参加。テナーサックスのベン・ウェブスターもこの曲を愛し、12種類以上の録音を残している。