「Now's the Time」は、1945年にアルト・サックス奏者チャーリー・パーカーが作曲したビバップの代表的ブルース・ナンバーである。カンザスシティ・ジャズのルーツに根ざしたシンプルなリフをベースに、パーカーならではのビバップ語法を融合させた名曲だ。
形式は12小節のブルースで、キーはF。メロディはルート、5度、9度を中心とした簡潔な6音のリフで構成され、ビバップ特有のフレーズ・エンディングが5〜6小節目に現れる。そのシンプルさゆえにブルース・フォームの入門曲としても最適だが、パーカー自身のソロは圧倒的な創造性に満ちており、ジャズ即興の教科書的存在である。
最も重要な録音はチャーリー・パーカーのリバッパーズによるオリジナル(1945年、Savoy Records)で、マイルス・デイヴィス(トランペット)、マックス・ローチ(ドラムス)が参加。同セッションからは「Billie's Bounce」「Ko-Ko」も生まれた、ジャズ史に残る伝説的録音日である。