「ナイト・ハズ・ア・サウザンド・アイズ」は、ジェリー・ブレイニンが作曲し、1948年の映画Night Has a Thousand Eyes(エドワード・G・ロビンソン主演のフィルム・ノワール)のテーマ曲として書かれた。なお、1963年のボビー・ヴィーによるポップ・ヒットとは同名異曲である。
32小節のAABA形式で、キーはGメジャーが標準的。メロディは明るく軽快で、ラテン・フィールで演奏されることが多い。コード進行にはII-V-Iの連鎖やクロマティックな転調が含まれ、速いテンポで演奏された場合にはハーモニーの処理がソリストの腕の見せどころとなる。Aセクションの快活なメロディとブリッジでの調性変化のコントラストが曲に構造的な魅力を与えている。
ジャズ・スタンダードとしての地位を確立したのはジョン・コルトレーンの高速ハード・バップ・スタイルによる録音で、コルトレーンの力強いテナー・サックスが曲にまったく新しい次元を与えた。ポール・デスモンドとジム・ホールのデュオ版は、対照的にクールで知的なアプローチで知られている。