「Basin Street Blues」は、ニューオーリンズ出身の作曲家スペンサー・ウィリアムズ(1889–1965)が1928年に書いたジャズ・スタンダードである。タイトルの「ベイスン・ストリート」はかつてニューオーリンズの歓楽街ストーリーヴィルのメイン・ストリートであり、初期ジャズ発祥の地を象徴する通りの名前だ。
曲はコーラス部分が32小節のAABA形式で、キーはCメジャーが一般的。Aセクションでは下降するブルース・スケールのモチーフが印象的で、ブルーノートを交えた哀愁あるメロディがニューオーリンズの空気を伝える。のちにグレン・ミラーとジャック・ティーガーデンが「Won't you come along with me / To the Mississippi…」で始まるヴァースを加え、この導入部も広く演奏されるようになった。ディキシーランド・スタイルからモダン・ジャズまで、さまざまなアレンジで親しまれている。
最も有名な録音は、1928年のルイ・アームストロングによる歴史的なレコーディング。トロンボーン奏者ジャック・ティーガーデンの数々の録音や、エラ・フィッツジェラルドのヴォーカル・ヴァージョンも定番として広く知られる。