「マイ・メランコリー・ベビー」は、アーニー・バーネットが作曲し1912年に出版されたアメリカン・ポピュラー音楽の古典である。「トーチ・ソング」という言葉の起源ともされるこの曲は、1世紀以上にわたって愛され続けてきた。
32小節のAABA形式で、ジャズではE♭やCのキーで演奏されることが多い。Aセクションのメロディは感傷的でありながら上品な動きを持ち、ハーモニーにはII-V進行やセカンダリー・ドミナントが自然に織り込まれている。ブリッジでは調性の変化が情感の高まりを生む。バラードとして演奏されることが一般的だが、初期にはダンス・ナンバーとしても親しまれた。コード進行はインプロヴィゼーションの素材としても優れており、多くのジャズ・ミュージシャンがこの曲のハーモニーを土台にソロを展開してきた。
代表的な録音としては、ビリー・ホリデイがテディ・ウィルソンと共演した1936年の名唱が挙げられる。器楽ではビル・エヴァンスの1966年のピアノ・トリオ版や、レニー・トリスターノ、リー・コニッツ、ウォーン・マーシュによる1957年の録音も高く評価されている。