「マイ・アイディアル」は、1930年にリチャード・A・ホワイティングとニューウェル・チェイスが共作し、レオ・ロビンが歌詞を付けたバラードである。パラマウント映画『プレイボーイ・オブ・パリ』のために書かれ、モーリス・シュヴァリエが映画の中で歌った。
キーはE♭メジャーで、32小節のAABA形式をとる。「いつか理想の人に出会えるだろうか」と問いかける歌詞に寄り添うメロディは、長いアーチを描くように上昇・下降し、憧れと希望の感情を美しく表現する。和声の解釈にはさまざまなヴァリエーションがあり、演奏者によってリハーモニゼーションが異なることでも知られる。基本的にはダイアトニック・コードの上にクロマティック・パッシング・コードを配した洗練された進行で、バラードとしての深みを持っている。
モーリス・シュヴァリエの1930年のオリジナル録音がある。ジャズの世界ではチェット・ベイカーが1954年頃のPacific Jazz期に録音した繊細なトランペット・ヴァージョンが名演として知られる。コールマン・ホーキンスのテナー・サックスによる力強い解釈、ビリー・ホリデイの情感豊かなヴォーカルも、この曲の奥行きを伝える代表的な録音である。