「マイ・ハート・ストゥド・スティル」は、1927年にリチャード・ロジャースが作曲し、ロレンツ・ハートが作詞したバラードである。最初はロンドンのレヴュー『ワン・ダム・シング・アフター・アナザー』で披露され、その後ブロードウェイ・ミュージカル『ア・コネチカット・ヤンキー』に組み込まれた。ロジャース&ハートの初期の最大ヒット作のひとつだ。
キーはFメジャーで、32小節のAABA形式をとる。Aセクションのメロディは同一音の反復から始まるという大胆な構成で、一目惚れの瞬間に心臓が止まるかのような感覚を音楽的に表現している。この反復音型は当時としては斬新で、ロジャースのメロディ・メイキングの独創性を示している。ハーモニーは洗練されたII-V進行とクロマティックな動きを含み、ブリッジでは転調を伴って感情の高まりを演出する。
ロジャース&ハートのオリジナル・キャスト録音(1927年)が歴史的に重要である。ジャズの世界ではマイルス・デイヴィスがキャリアを通じて愛奏し、エラ・フィッツジェラルドのアルバムElla Fitzgerald Sings the Rodgers and Hart Song Book(1956)に収録されたヴォーカル版も名演として知られる。フランク・シナトラの複数の録音も高い評価を受けている。