「モーニン」は、1958年にピアニストボビー・ティモンズが作曲したハード・バップの代表曲である。ゴスペルとブルースを融合させた「ソウル・ジャズ」「ファンキー・ジャズ」と呼ばれるスタイルを象徴する作品で、ティモンズが22歳のときに書いた楽曲だ。
キーはFマイナーで、コール・アンド・レスポンスの構造を持つテーマが最大の特徴である。ピアノが提示するゴスペル風のリフにホーン・セクションが応答する形は、アフリカ系アメリカ人の教会音楽の伝統を色濃く反映している。テナー・サックスのベニー・ゴルソンがティモンズに対し、普段ステージの合間に弾いていた8小節のモチーフを完成させるよう促したことが作曲のきっかけとされる。ブリッジ部分では下降するコード進行がA セクションと好対照をなし、曲全体に起伏を与えている。
初録音は1958年10月30日、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズによるBlue Noteでのセッションで、同名アルバムMoanin'に収録された。リー・モーガン(トランペット)、ベニー・ゴルソン(テナー・サックス)、ジミー・メリット(ベース)という強力な布陣による演奏は、ハード・バップの金字塔として名高い。