「ミーン・トゥー・ミー」は、フレッド・E・アーラートが作曲し、ロイ・タークが作詞した1929年発表のトーチ・ソングである。アーラートはティン・パン・アレーで活躍した作曲家で、タークとのコンビで「I'll Get By」「Walkin' My Baby Back Home」など数々のスタンダードを生み出した。
形式は32小節AABA、一般的なキーはFメジャーまたはEbメジャー。A セクションは切々と訴えかけるようなメロディで始まり、歌詞の「あなたはなぜ私に冷たくするの」という感情とメロディの起伏が見事に一致している。ブリッジでは明るい長調的なカラーが一瞬差し込み、再びA セクションに戻ると一層の切なさが際立つ構成だ。コード進行にはクロマティックな経過和音が含まれ、バラード演奏では豊かなリハーモナイゼーションの余地がある。
最も名高い録音は、1937年のビリー・ホリデイ(テディ・ウィルソン、レスター・ヤングとの共演)のセッションで、ホリデイの代表的なレパートリーのひとつとなった。エラ・フィッツジェラルドのアルバムElla Swings Brightly with Nelson(1962年、ネルソン・リドル楽団)収録の演奏もグラミー賞受賞で有名だ。