「マン・アイ・ラブ」は、ジョージ・ガーシュウィンが1924年に作曲したバラードで、作詞は兄のアイラ・ガーシュウィン。当初ミュージカルLady, Be Good!用に書かれたが本編からは外され、その後いくつかの舞台で使われかけては見送られるという数奇な運命をたどった。
形式は32小節AABA、キーはEbメジャーが標準的である。A セクションの冒頭で提示される下行クロマティック・ラインが曲全体の性格を決定づけており、憧れと切なさが同居する独特のムードを生み出している。和声は長調と短調の間を揺れ動くような進行で、ブリッジではリズミックに活気づく対比が効果的だ。バラード・テンポでじっくり歌い上げるアプローチが定番だが、アップテンポで料理するプレイヤーも少なくない。
決定的な録音は、1938年カーネギー・ホール公演におけるベニー・グッドマン・カルテット(テディ・ウィルソン、ライオネル・ハンプトン、ジーン・クルーパ)のライヴ演奏で、ジャズ史に残る名演として語り継がれている。ヴォーカルではビリー・ホリデイやエラ・フィッツジェラルドの録音が名高い。