「ラブ・ミー・オア・リーブ・ミー」は、ウォルター・ドナルドソンが作曲し、ガス・カーンが作詞した1928年発表のトーチ・ソングである。ブロードウェイ・ミュージカルWhoopee!でルース・エティングにより初演され、彼女の録音は1929年に全米2位を記録した。
形式は32小節で、キーはFマイナー(相対的にAbメジャー)が標準的。マイナー・キーの哀愁を帯びたA セクションと、メジャーに転じるブリッジのコントラストが劇的な効果を生む。メロディは「愛して、さもなくば去って」という歌詞の直截的な感情をそのまま音にしたかのようで、情感の込め方がそのまま演奏の質に直結する。コード進行にはII-V連鎖が多く含まれ、ビバップ以降のミュージシャンにとってはソロ素材としても魅力的だ。
ニーナ・シモンのデビュー・アルバムLittle Girl Blue(1958年)収録の独創的な解釈が名高く、バッハのインヴェンション風ソロを挿入した大胆なアレンジで知られる。またレスター・ヤングとテディ・ウィルソンの1956年の共演盤Pres and Teddyでの演奏も、ジャズ・ファン必聴の名演である。